しゃベルシネマ

前田敦子は、天性の“映画監督に愛される女優”だった!

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第458回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

AKB48卒業後、着実に女優としてのキャリアを積んできた前田敦子。主役・脇役にこだわらず、様々な役どころに挑戦し、その存在感を存分に発揮しています。アイドル時代のキュートな雰囲気も残しながら、女優としてストイックに突き進むポテンシャルの高さは、巨匠・名匠と呼ばれる映画監督をも惚れさせるほど。そんな前田敦子の魅力が引き出された名作をご紹介します。

もらとりあむタマ子-Amazonより

「女優になりたい」。14歳の頃からの“夢”を“現実”に変えて…。

市川準監督の遺作となった『あしたの私の作り方』で念願の映画初出演を果たした、前田敦子。学校でのイジメに悩む女子高生役を好演するフレッシュな魅力で、当時から群を抜いた存在でした。
その後、いくつもの出演作を重ねる中で、彼女のアイドル的なイメージを覆す新境地となった作品が『もらとりあるタマ子』(2013年)。前田演じるタマ子は、逆ギレが得意な“ぐうたら女子”。実家住まいで、家事を手伝うこともなければ就職活動もせず、ただ食べて、寝て、マンガを読む毎日。“前田敦子史上、もっともぐうたらな前田敦子”を多彩な表情で演じています。

本作は、映画『オーバーフェンス』やドラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」などで知られる山下敦弘監督によるオリジナル作品。山下監督とは『苦役列車』(2012年)に続き、2度目の顔合わせとなり、両作を通じて、彼女の女優としての新たな“顔”が引き出されているのは、ファンならずとも必見です。

seventh code-Amazonより

2014年に発表された『seventh code』は、元々は前田敦子の4枚目のシングル「セブンスコード」のミュージックビデオとして制作されました。ロシアのウラジオストックを舞台に、一人の男を追いかけて異国に流れ着いた主人公をめぐる、不可思議な物語を紡ぎ出したサスペンスドラマ。鬼才・黒沢清監督がメガホンを取りました。

60分という中編作品にかかわらず、本作は第8回ローマ国際映画祭のインターナショナル・コンペティション部門で最優秀監督賞と最優秀技術貢献賞の2冠に輝き、日本でも異例の劇場公開が実現。ウラジオストックの大地に力強く立つ、前田敦子の姿が鮮烈に映し出された作品です。黒沢監督作品にはその後も『散歩する侵略者』(2017年)に出演。

また日本ウズベキスタン合作映画『旅のおわり、世界のはじまり』(2019年)では主演を務め、初めてのオール海外ロケにも挑戦しています。ちなみに『seventh code』には、ニッポン放送のパーソナリティとしてもおなじみの鈴木亮平が“謎の男”役として出演していて、二人が醸し出すハードボイルドな世界観も魅力的な一作です。


前田敦子最新作となるのが、『食べる女』。筒井ともみの短編小説集「食べる女」「続・食べる女」を原作に、年齢も職業も性格も違う8人の女たちの、食と恋にまつわるエピソードをコミカルに綴ったストーリー。見るからに美味しそうな料理を幸せそうにほおばる前田敦子の姿に、愛らしさとパワフルさを感じます。
ベテラン女優と並んでも臆することなく、独自の個性を放つのも、女優・前田敦子の魅力のひとつでしょう。先日結婚を発表したお相手の、勝地涼との共演も注目ですよ。


<作品情報>
もらとりあるタマ子
DVD&Blu-rayリリース
監督:山下敦弘
出演:前田敦子、康すおん、伊東清矢、鈴木慶一、中村久美、富田靖子 ほか

seventh code
DVD&Blu-rayリリース
監督・脚本:黒沢清
出演:前田敦子、鈴木亮平、アイシー、山本浩司 ほか

食べる女
2018年9月21日から全国東映系にて公開
監督:生野慈朗
原作・脚本:筒井ともみ『食べる女 決定版』(新潮文庫・8月末刊行予定)
出演:小泉今日子、 沢尻エリカ、前田敦子、 広瀬アリス、山田優 、壇蜜、 シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香、ユースケ・サンタマリア、池内博之、勝地涼、小池徹平、笠原秀幸、間宮祥太朗、遠藤史也、RYO(ORANGE RANGE)、PANTA(頭脳警察)、眞木蔵人 ほか
©2018「食べる女」倶楽部
公式サイト http://www.taberuonna.jp/

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