しゃベルシネマ

ひとりの男性では満足できない?! 『2重螺旋の恋人』

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第457回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、8月4日公開の『2重螺旋の恋人』を掘り起こします。

鬼才フランソワ・オゾン監督が放つ、極上の心理サスペンス


原因不明の腹痛に悩まされ、精神分析医ポールの元を訪れたクロエ。彼の穏やかなカウンセリングによって痛みから解放されたクロエは、ポールと恋に落ち、一緒に暮らし始める。
ある日、クロエは街でポールにそっくりな男性ルイと出会う。ルイはポールと双子で、職業も同じ精神分析医だった。双子であることをクロエに告げずにいたポールだったが、何故、ポールはルイの存在を自分に隠していたのか…。その真実を突き止めようとルイの診察室に通い始めたクロエは、優しいポールとは違って傲慢で挑発的なルイに惹きつけられていく…。


『スイミング・プール』『8人の女たち』などで知られ、日本でも人気のフランス人映画監督、フランソワ・オゾン。彼が最新作のテーマに選んだのは、双子。元々、双子の持つ神秘性に興味を持っていたオゾン監督が、アメリカの女性作家ジョイス・キャロル・オーツの短編小説を大胆に翻案。性格が正反対な精神分析医と禁断の関係にのめり込んでいく女性の姿を官能的に描いた心理サスペンスを完成させました。


クロエを演じるのは、『17歳』でもオゾン監督とタッグを組んだ、マリーヌ・ヴァクト。嘘と真実、妄想と現実の狭間を彷徨うヒロインを艶やかに演じ 、観客をオゾン監督が仕掛けた“迷宮”へと誘います。
そして彼女と精神的にも肉体的にも激しい駆け引きを演じる双子の精神科医を演じるのが、ジェレミー・レニエ。ポールとルイの二役を巧みに演じ分けたジェレミー。そのあまりの巧演ぶりに「あれ、今のはポール? ルイ???」といった具合に、観ている側も翻弄されてしまうことでしょう。


フランソワ・オゾン監督いわく、本作のテーマはズバリ、性の不満足。ひとりの男性では満たされない女性の欲望と幻想を露わにしながら、物語に数々の謎が散りばめられた本作。エロティックな描写やショッキングな映像がスクリーンいっぱいに映し出されますが、結末はそれ以上にバイレント。オゾン監督が仕掛けた“罠”に、まんまとハマってしまうかも。


2重螺旋の恋人
2018年8月4日からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督・脚本:フランソワ・オゾン
原作:ジョイス・キャロル・オーツ「Lives of the Twins」
出演:マリーヌ・ヴァクト、ジェレミー・レニエ、ジャクリーン・ビセット、ファニー・セイジ、ミリアム・ボワイエ、ドミニク・レイモン ほか
©2017 – MANDARIN PRODUCTION – FOZ – MARS FILMS – PLAYTIME – FRANCE 2 CINÉMA – SCOPE PICTURES / JEAN-CLAUDE MOIREAU 
公式サイト https://nijurasen-koibito.com/

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