1勝の重みを知り抜く頭脳派!広島・田中広輔内野手(27歳) スポーツ人間模様

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写真提供:産経新聞社

昨日の巨人の負けは強力なカウンターパンチでした。
最短で30日に広島が優勝へのマジック「36」が点灯します。
緒方監督は、「きょうは福井でしょう」と総括しているものの、巨人のエース、菅野がベンチへ戻り、グラブを叩きつけて悔しがったのは、田中の一発を浴びた後でした。

「奇跡です。うまく打てた。見ていたら打てないので、バットをどんどん振っていったのが良かったと思う。」
田中は1試合2発の本塁打に大喜びです。
菅野と田中は東海大相模、東海大の同期生。
相手を知り尽くしていたからこそ、菅野は絶対に打たれてはならなかった。
自分への腹立ちがめずらしく、グラブを叩きつけることにつながったのでしょう。

ところで、田中といえばつきまとうのが高校時代に殺人スライディングと揶揄された数々の走塁。
最近では、動画投稿サイトでも再び、クローズアップされています。
当時は、田中に対して、「そこまでして勝ちたいのか」などと、バッシングの嵐にさらされたとか。
ただ、一方では、「闘志なきものは去れ」という、東海大野球部名誉総監督・故原貢さんの教えを常に持ち続けたという見方もできる。
イケメンでクールな印象を受けますが、なかなかのファイター。
加えて、ひたすら夢を追うだけではなく、現実的な考えも併せ持つ頭脳派。
大学卒業後は社会人のJR東日本へ入社し着実にステップアップ。
2013年のドラフトで広島から3位指名を受けて入団するわけですが、巨人からのオファーもあったそうです。
でも、それを断ったのは、育成のシステムがいまひとつ明確ではなく、入団しても選手層が厚いなど、周囲と相談して断ったという話があります。

広島ではルーキーイヤーから活躍の場を与えられました。
入団時、かつて丸がつけた出世番号『63』をフロントから託されただけのことはあったようです。
巨人・原前監督の最終年だった昨年は、開幕からレギュラーの座をつかみ、母校の大先輩へ、「おかげさまで1軍です」とシーズン初対戦時にあいさつへ出向いたそうです。
いくらチームは違っても、原監督はふところが深く、母校の後輩へ、何と打撃改造を示唆して、おまけに指導まで受けました。
その教えは一生の財産といえるでしょう。

広島ファンが2015年の忘れられない試合として記憶しているのは9月12日、甲子園球場での阪神戦です。
12回表田中は左中間フェンスを越える打球を放ったものの審判団のVTR判定でインプレーの3塁打と判定されました。
試合は結局2-2の引き分け。
でも、納得がいかない広島はセ・リーグに対してVTRの再検証を求めました。
その結果は誤審と認定され、謝罪はあっても記録の訂正はなし。
最終的に、広島は阪神に0.5ゲーム差の4位でした。
もし、田中の本塁打が幻ではなく、正しく判定されていたら、広島はクライマックスシリーズ進出を果たしていたのです。

昨年オフ、田中は年俸が倍近い4,100万円にアップするとともに、背番号2、かつて高橋慶彦などが背負った、名手の系譜を託されました。
1勝の重みを知り抜いている田中は、リードオフマンとしてチームを引っ張ります。

7月29日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」