温暖化で変わる農作物の分布。努力?品種転換?究極の選択! 【ひでたけのやじうま好奇心】

今朝の新聞にも「世界最高気温?クエートで気温54度を記録」と出ていましたが、温暖化の影響か、昔と比べて日本の気候も随分と変わってきました。
そうした気候変動の影響は、人間の生活はもちろん、農作物にも影響を与え、ここ数年、日本の農業では「農産物を努力で守るか、暑くなる気候に合わせるか」という究極の選択でさまざまな取組が行われています。

例えば、「ブドウ」。
ブドウの栽培は、平均気温25度が最も適していると言われていて、25度を超えると「着色不良」が起こりやすくなり、商品価値が下がってしまいます。すでにそのような現象が起きているんですね。

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そこで栽培農家では、スプリンクラーを設置して畑の気温を下げたり、ブドウの木の皮の一部を切り取ることで、果実により多くの養分を集め、色づきを良くする「環状剥皮」という対策をしたり、様々な努力をしています。

また地域によっては、ブドウの品種自体を変えるところも増えていて、成長の過程で赤や黒といった色素が作られない、「緑色」のブドウを栽培する農家も増えています。

もちろん、赤や黒の色素を持つブドウも品種改良が行われて、安定して色づきのよいブドウを生産できるように努力が続いていますが、温暖化が進む中で 品種を変える選択をする農家もあるんですね。

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このような現象は、ブドウだけに限ったものではありません。
リンゴやミカンなどの ほかの果実も、気温の高い状態が続くと着色不良が起こりやすくなり、暑い日が続くと、果実が日焼けしてしまい、せっかく育てたのに出荷できない状況にもなってしまいます。

リンゴでは、最近は温度が高くても着色しやすい「秋映(あきばえ)」や、黄色い品種「シナノゴールド」などの栽培が増えてきていますが、そこには温暖化という気候変動も関係しているんですね。

そして温州みかんも、温暖化による影響を受けています。
温州ミカンの生産は、平均温度16度が適温とされていて、愛媛県など西日本での生産が主に行われていましたが、ここ数年は、温暖化で西日本でも気温も上昇。
気温が高くなると、温州ミカンの場合は「浮皮」といって、中の果肉と皮が離れ、ブヨブヨになってしまう場合があり、商品価値が下がってしまうんですね…。

現在は、肥料の量や、肥料を巻くタイミングを改善するなどして、浮皮にならないように技術開発が進められていますが、その一方で、暑さに強いデコポンの栽培を増やしたり、温度が高くなったからこそ栽培が可能になったイタリア産のブラッドオレンジの栽培にも力を入れています。
ちなみに、温州みかんなどの柑橘類に関しては、温暖化の影響で、産地がどんどん北上していて、2030年には新潟平野でも栽培が可能になると言われています。

すでにサクランボの栽培で有名な山形県では、先を見越して、温州みかんやスダチ、ゆずなどの柑橘類の栽培が実験的に行われていて、一定の成果を上げています。

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実は山形県にも温暖化の波は来ていて、寒い地域で収穫されていたサクランボも、以前より日焼けなどの被害が出てきているそうです。
そこで、サクランボの日焼け対策も研究しながら、新たに柑橘類の栽培もはじめていこうということなんですね。
いまや北海道富良野市でも、山形県を代表するサクランボ「佐藤錦」が栽培できる環境になっているということですから、産地の分布図も大きく変わろうとしています。

そして一方では、温暖化を逆手にとって、世界の亜熱帯の農作物を日本でも栽培しようじゃないかと、動き始めている地域もあります。
例えば、亜熱帯地方が原産の「パッションフルーツ」や「ドラゴンフルーツ」。
日本でも鹿児島や沖縄などの気温の高い地域で生産されていましたが、ここ数年は、千葉県の房総半島でも数多く栽培されています。
しかも最近は、ハウス栽培でなく、露地栽培をする農家もあるそうで、いかに温暖化が進んでいるかがわかりますね。

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【画像】ドラゴンフルーツ

ほかにも千葉県東金市などではサトウキビ、埼玉県ではマンゴーやバナナ、様々なものが栽培されていて、南国フルーツを関東で栽培するということは今の時代、当たり前になりつつあるんですね。

気温の上昇による農作物の産地の北上。
技術開発や品種改良で農作物を守るか、品種転換をして温暖化に対応するか。
いま農業では、さまざまな取組が進んでいます。

私たちの食生活も 日本の農業の変化に合わせて変わっていくかもしれません。

7月28日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より