イギリスがCPTPPに参加検討~日本から中国への強いメッセージ

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月20日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。CPTPPについて解説した。

米がTPPを離脱したことによって作られた協定CPTPP

「CPTPP」はアメリカのTPP(環太平洋連携協定)離脱をうけて、TPPに修正を加えてアメリカを除く11ヵ国が署名した協定のこと。正式名称は「包括的及び先進的環太平洋連携協定」という。一時期は「TPP11」などとも言われていた。これについてイギリスのフォックス国際貿易大臣は18日EUを離脱したあとに参加するかどうか意見公募を始めると明らかにしている。

飯田)これに加入しようという国がけっこう出てきましたね。

宮家)この間、イギリスの外交官に昼食へ誘われて行ったのですよ。いろいろ話をしていて面白いな、と思ったのが「イギリスが太平洋でどういう役割を果たせるだろうか」とかね。香港を返してからいないじゃないか、何を言っているんだと思いましたけど。
この地域は世界で最も経済成長率の高い地域ですよね。イギリスはこれからEUを離脱するわけでしょう。それで小さな国だから貿易で食べていくしかないわけですから、太平洋に関心を持っているというのはひしひしと感じました。CPTPPにイギリスが入るか入らないかという議論が出てきたのは、イギリスの生き残り戦術のなかで太平洋をもう1度見直そうとしている。

世界的に注目されるほどに仕上がったCPTPP

宮家)アメリカがTPPを抜けたときになかなか難しいと思いましたが、こうして日本が頑張って11ヵ国でまとめたのはたいしたものだと思います。だからイギリスがついてきた。イギリスが入るか入らないかはかなり重要です。これで上手くいけば、ヨーロッパの他の国も入りたがるに決まっていますから。政治的意図があって作ったわけではないけれど、中国に対するメッセージになるのですよ。保護貿易に反対と言っておきながら自由貿易ではないじゃないかと。その意味では良い動きだなと思っています。

飯田)高いレベルで知的財産や公共投資まできちんとしている協定というのは、中国は入れないわけですね。

宮家)1番厳しいのは、国有企業を自由化するということが入っているから。

飯田)よくベトナムはこの条件を飲みましたね。

宮家)それは日本が一生懸命にやったのですよ。ですから、これが広がってイギリスが入って来ることは大歓迎です。

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