6増成立~参議院について議論すべきは定数増ではない

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月19日放送)に拓殖大学教授でジャーナリストの富坂聰が出演。参議院の定数を増やす改正法案が成立した件について自身の見解を述べた。

参議院6増成立~自公の強行に対し野党は内閣不信任決議案提出へ

参議院の定数を6増やす、改正公職選挙法は、昨日の衆院本会議で、自民・公明両党の賛成多数で可決、成立した。これに対して反発を強めていた野党は、今日にも内閣不信任決議案を衆議院に提出する調整に入っている。

飯田)会期を延ばしましたが、今週末までですので、いよいよ大詰め。この6増についてはいろいろ批判が多いですね。

富坂)そうですね。もう焼け太ったというか。結局、定数の問題などがあって、「じゃあ増やしちゃえばいいじゃないか!」みたいな話ですよね。
そもそも、参議院は機能的に、役割的にどうなのかと言われているなかで定数を増やしていくのは、「納得してくれ」と言われても難しいと思います。

飯田)振り出しは合区問題がありました。調布市の広瀬さんという方からメールをいただいています。「東京一極集中の弊害も議論すべきではないでしょうか。1票の格差を生んでいるのは、東京や都心の集中もある、ということですよね。議論の根底がなされない議論はすべきではありません」といただいています。参院のあり方とか、その辺はあまり議論されないままここまで来てしまった感じですよね。

アメリカの上院の場合は役割分担がはっきりしている

富坂)そろそろ、本当に役割分担も必要ですよね。たとえば、思い切ってアメリカの上院みたいな形にしていくとか。グッとコンパクトにできますからね。他にも、外交などを専門的にやる役割を持たせるとか。いろいろな案は出ているのに、なぜそういう議論をせずに数だけの話になったのか。1つのきっかけを失ったし、単に使わなければいけない予算が増えるだけですからね。それに対する納得できる説明はできないだろうな、と思います。

飯田)アメリカの場合、上院は1州1人だから、1票の格差はものすごいことになりますよね。

富坂)そうですね。ただ、役割分担がありますから。

飯田)上院の方に先議権や任命権がありますよね。その辺の議論がまったく無かった。憲法で1人1票が決まっているだけに、という感じですね。

富坂)参議院が本当に、「1県に1人」とか、「もともとそういう話なのか?」ともなりますし。

飯田)やはり国会議員の方も、自分の身分に関わるからできないのでしょうか?

富坂)その発想になってしまうところがおかしい。「改革をやる」と言っているときは、自分から身を切ることがそもそもありましたが、今回はその方向ではないですよね。ある意味方向性としては、日本を縮小させていかなければいけないかもしれません。

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