西日本豪雨~いま被災地の人が困っていること

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月11日放送)に広島在住のフリーアナウンサー井村尚嗣が電話出演。豪雨から一転して快晴となった現在の被災地の状況を解説した。

広島県 府中町 氾濫 榎川

広島県府中町で氾濫した榎川=2018年7月10日午後0時27分(共同通信社ヘリから) 写真提供:共同通信社

広島県府中町で榎川が氾濫~住民に避難指示

昨日午前11時15分頃、広島県府中町の榎川が氾濫し、住民に避難指示が出された。橋の欄干に大量の土砂や流木が溜まり、川の水が流れず溢れだしたと見られ、周辺住民には避難指示が出されている。

飯田)大きな被害となっている西日本豪雨災害。榎川の氾濫も二次災害と呼べるものです。現在も府中町では避難指示・避難勧告が発令されています。広島県内の状況について、広島在住のフリーアナウンサー、井村尚嗣と現地から電話がつながっています。

井村)今日も広島は暑くなりそうです。広島市中心部は快晴で、真夏の陽気を感じさせます。これが被災地上空で同じ気候だと、お気の毒としか言いようのない状況ですね。

飯田)氾濫して、一面泥だらけになってしまったところが晴れると、土埃とかどんどん出てきますよね。

井村)そうですね。重機が入ったり、土砂を運搬していく車がたくさん入ってくると、砂埃が心配です。身体にもよくないと言われていますが、とにかく山の上からかいだこともないような臭いの土砂が現場に流れてきています。この土砂災害の現場は、想像を絶するものです。

飯田)榎川ですが、ここは太田川の支流にあたるのですか?

井村)そうです。私の家の側には本流の太田川が流れていますが、場所から言うと広島駅の少し東側。広島カープの本拠地であるマツダスタジアムと、山陽本線を挟んで北側にある町です。2、3キロ離れているところですが、この上流には氾濫を防ぐための防災ダムがいくつか設けてありますが、そこに損傷はなかったようです。溜まり溜まって山から崩れてきた物がそれを乗り越え、一気に榎川に流れ込み、ある橋のところでせき止められて、昨日の午前中一気に水が溢れました。
また、この榎川は川岸より低いレベルに公的機関や学校や保育園、民家があるような地形です。ですから、溢れてしまうとそれが一気に下に下り、冠水する地形なのです。

飯田)だから、避難勧告や指示が出されているのですね。

ピレウス 係船 MARINA グリーンエース

ピレウスで係船中の「MARINA」(最左)(グリーンエース – Wikipediaより)

大動脈である道路と鉄道が寸断~通勤にはフェリーを利用する人も

飯田)物流についてですが、これもしばらくの間道路が止まっていましたよね?

井村)広島県内を通る大動脈となると、東西を走る山陽自動車道と、国道2号があります。その国道2号が、大きな川によって削られ、完全に寸断されていて、いまも通れません。山陽自動車道も、1部は部分開通しましたが、完全開通に至るには1週間はかかりそうです。相当な土砂が流れ込んでいる写真や映像を見ると、まだまだかかりそうです。

飯田)広島市内もさることながら、呉や三原の辺りもかなり道路が寸断されていると報道されていますが、現地はいかがですか?

井村)呉市で今回1番大きな被害を受けている天応地区というのは、本来なら広島からも1番交通の便がよく、JRの駅もあり、現在寸断されている国道31号も通っている、呉市の西側にある非常に便利な都市です。
ところが、その便利な2つの鉄道と道路が完全に寸断されています。1番便利で環境のいい町が、いまは1番孤立しているところになってしまっているのです。

飯田)道路も鉄道もダメとなると、海からということになりますか?

井村)呉市と広島市を結ぶ交通ルートにはあと内陸部を通り、被害の多い熊野町を通過し、呉の方へ降りていく道と、呉と広島港を結ぶフェリーで海を通るという方法があります。いろいろなルートで通勤の足を確保するなど、みなさんが努力をしているようです。

飯田)井村さんの周りでも、コンビニの棚とかはどうなっていますか? 物は、入っていますか?

井村)少しずつ戻ってきていますが、コンビニに限らずスーパーでも、商品によっては棚が空になるような状態の場所もありました。昨日の夕方以降に見てみると、「少し復旧したかな」みたいな感じはありました。

西日本 豪雨 被害 広島市 安佐北区 口田南 住宅街 地元 住民

西日本豪雨被害。広島市安佐北区口田南の泥に埋まった住宅街で作業する地元住民ら=2018年7月9日、広島市安佐北区 写真提供:産経新聞社

被害が広範囲なためボランティアの配備が遅れている

飯田)水道や電気はどうですか?

井村)広島市は大丈夫です。ですが、今回土砂崩れなので大きな被害を受けているところには、いま1番水が必要とされています。多くの避難所では地震などの場合と違い、給水ができないような場所は、それほどない。そこは少し恵まれていると思いますが、被災地自体には水が供給されていないところがたくさんあります。それと、今回はあまりにも広範囲ですので、ボランティアの配備も非常に遅れている現状のようです。

飯田)土砂や瓦礫を片づけるには、人手が必要ですものね。

井村)そうですね。4年前の広島市の大水害では、集中的にあるエリアを回りましたが、かなり広範囲でした。端の方でボランティアをしたりもしましたが、今回はまだ被害の全容が明らかになっていません。テレビで放送されてみなさんがご覧になる以外のところで、完全に家が埋まっていたり、土石流が貫いていたり、そういうお宅が、実はたくさんあるのです。

飯田)今後明らかになっていくものが、まだまだ多い可能性は高いですね。

井村)実際に人命に被害はなくても、暮らしに支障を来す被害という点からすると、家屋の被害も現在住宅被害が2,500余りとなっていますが、実際のところは、今後もっと数が増えていくと思います。

飯田)この週末に向け、本当に人手が必要な時期が必ずやってきますよね。

井村)そうですね。大きな道路が週末にかけて復旧すれば人が入れるようになるし、学校も夏休みになり若い力が供給される可能性もありますので、復旧の面では少し改善の方向へ行くと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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