しゃベルシネマ

イザベル・ユペール、コートの下は…。『エヴァ』

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第441回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、7月7日に公開した『エヴァ』を掘り起こします。


官能と誘惑、美しい娼婦が人生を狂わせる。


他人の戯曲を盗作して成功を手に入れた新進作家、ベルトラン。周囲から2作目を期待されるが、思うように筆がすすまない彼は、執筆のため別荘へとやって来る。するとそこには、吹雪で立ち往生した男女が勝手に窓ガラスを割って部屋に侵入し、くつろぐ姿があった。怒り心頭のベルトランはバスタブに浸かっていた娼婦エヴァに近づき文句を言おうとしたが、一瞬にして心を奪われてしまう。

次作の題材にという名目でエヴァに言い寄るベルトラン。そんな彼を冷たくあしらうエヴァ。やがて2人の関係は、周囲の人間をも巻き込み、官能と破滅の道へと突き進んでいく…。


原作は英国人推理作家ジェイムズ・ハドリー・チェイスによる傑作小説「悪女イヴ」。本作監督のブノワ・ジャコーは、この小説に13歳の時に出会い衝撃を受け、映画監督を志すことになったのだとか。映画化したいと思い続けて50年以上の歳月を経て、ようやくその夢が実現しました。


魔性の女エヴァを演じるのは、ジャコー監督とは本作が6作目のタッグとなるイザベル・ユペール。『エルELLE』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど、いまでは“フランスの至宝”ならぬ“世界の至宝”と呼んでも過言ではないほどの輝きをみせる彼女。女性の年齢を語るのは失礼極まりないことを承知で触れさせていただくと、御歳なんと65歳。美魔女すぎます!! その妖艶なファム・ファタールぶりに、男女問わず翻弄されてしまうこと間違いなし。

またエヴァに堕ちていく作家ベルトラン役には『たかが世界の終わり』のギャスパー・ウリエル。フランス映画界でも一二を争う超美形俳優のギャスパー・ウリエルとイザベル・ユペールの並びの美しさは格別です。


悪女に翻弄され破滅していくストーリーは、いつの時代も男性にとっては恐ろしくも魅力的なもの。しかし本作は単なるファム・ファタールものというよりは、挑発しながらも惹かれ合う二人のパワーゲームのような関係性を読み解いていくのも大きな見どころ。いかにもフランス映画らしい、大人の心理サスペンスと言えるでしょう。


エヴァ
2018年7月7日からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、EBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
監督:ブノワ・ジャコー
原作:「悪女イヴ」 ジェイムズ・ハドリー・チェイス(小西宏訳) 創元推理文庫
脚本:ブノワ・ジャコー/ジル・トーラン
出演:イザベル・ユペール、ギャスパー・ウリエル、ジュリア・ロイ、マルク・バルベ、リシャール・ベリ ほか
©2017 MACASSAR PRODUCTIONS – EUROPACORP – ARTE FRANCE CINEMA – NJJ ENTERTAINMENT – SCOPE PICTURES
公式サイト http://www.finefilms.co.jp/eva/

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