「いつでも、どこでも、人のためにつくせ。」大相撲横綱・日馬富士公平(32歳) スポーツ人間模様

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大相撲名古屋場所、今日13日目は結びの一番で、2敗同士の日馬富士と稀勢の里が直接対決する大一番があります。
これでほぼ決まるのではないでしょうか。

前々場所、横綱日馬富士にインタビューした時に、日本的な発想で褒め言葉として“小兵力士が小よく大を制す”という柔道の嘉納治五郎さんのようなことを言ったら、「ぼくは身体、小さくない」と強く返してくる。
あとで聞いたらモンゴルでは男の人を小さいと言うのは良くないと教えられました。
申し訳ないことをしたなと思ったのですが、でも実際、あれだけの小さな身体で綱を張って、あれだけ下半身が強くて全身がバネになっていて、そして、誰よりも気が強い。
ですから今日の稀勢の里はよっぽどの気持ちで行かないとやられてしまう。
昨日、白鵬が後退したところで、日馬富士は自分が優勝する!と強く思っている。

その日馬富士。
意外といえば、絵画が得意なことは知られていますが、昨年12月には銀座の日動画廊で念願の絵画展を開催しました。
日動画廊といえば、老舗。日馬富士が直談判の末に開催の運びになったそうです。

さらに、1日警察署長のオファーが最も多い力士でもある。理由は、2006年に交通事故で亡くなった、父ダワーニャムさんが警察官だったことが大きい。
特に愛知県は13年連続で全国交通事故死ワースト。
場所前も事故を減らすように愛知県警瑞穂署の1日署長を行い訴えています。
一方でとてもお堅いイメージがある警察官を前にしたあいさつでは「明日から、30パーセント、給料を上げます」とジョークを飛ばして雰囲気をやわらげるなど、意外な一面も。

2014年4月には、法政大学大学院に入学。史上初の大学院生横綱となりました。
でも、残念なことに「土俵へ全力を傾けたい」との理由で、翌15年から休学を宣言。
しかし、単なる興味本位の話題づくりではなく、面接を行った先生からは「失礼な表現かもしれないけど、こんなにまじめな方だとは思わなかった。」
同じ大学院生の多くも、「横綱は素晴らしい方。たくさん優勝をして、ぜひ、戻ってきてほしい」と復学コールが巻き起こっているそうです。

土俵だけではなく、いつも胸に秘めているのが、「いつでも、どこでも、人のためにつくせ。」
日本はもとより、モンゴルでも日本の後援者の手を借りて、インフラ整備に尽力している。
「やったことは、いつか自分に返ってくる。いいことをすれば、いいことが返ってきます。」

綱取りをかける、稀勢の里との対決を楽しみにしましょう。

(原文)青木政司

7月22日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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