千葉駅「やきはま弁當」(1,000円)~255系電車・房総ビューエクスプレス25年!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

255系 特急 しおさい 総武本線 物井 佐倉

255系・特急「しおさい」、総武本線・物井~佐倉間

東京から千葉を経由して銚子を目指す、総武本線の特急「しおさい」号。
千葉の先は佐倉、八街など、こまめに停車し、銚子まではおよそ2時間の旅となります。
現在の「しおさい」には、多くの列車に9両編成の255系電車が充当されています。
この車両から始まった海の青、菜の花と太陽の黄色、ビーチの白を基調としたカラーリングは、今や千葉エリアの特急列車から普通列車まで、基本的なカラーとなっています。

255系 特急 新宿わかしお 外房線 大網 永田

255系・特急「新宿わかしお」、外房線・大網~永田間

255系電車がデビューしたのは平成5(1993)年7月ですから、この夏で25年となります。
当初は内房線特急の「ビューさざなみ」、外房線特急の「ビューわかしお」として活躍。
40歳代くらいの方なら、学生時代、部活動などの夏合宿等で利用した方もいるのでは?
現在も255系電車は、一部の「わかしお」「さざなみ」でもお目にかかることが出来ます。
特に週末は「新宿わかしお」号として、新宿発着で安房鴨川を結ぶ列車もあります。

やきはま弁當

やきはま弁當

“房総ビューエクスプレス”の愛称を持つ255系電車は25年ですが、千葉にはその3倍以上の歴史を持つ駅弁、「やきはま弁當」(1,000円)があります!
昭和15(1940)年の誕生といいますから、今年で実に78年。
千葉駅弁を手掛ける「株式会社リエイ 万葉軒千葉工場」が誇るロングセラーです。
記録によれば、昔は千葉市内の海岸でも潮干狩りが出来たのはもちろん、夏の海沿いには海の家が並び、軒先ではまぐりを焼いているお店が連なっていたということです。

やきはま弁當

やきはま弁當

【お品書き】
・茶飯
・焼きはまぐり
・鮪照り焼き
・揚げ玉子焼き
・煮物(人参、筍)
・成田名産・鉄砲漬け
・ガリ

やきはま弁當

やきはま弁當

誕生以来の伝統が守られているという「やきはま弁當」。
目を引くのが、茶飯の上にちょこんと可愛らしく並べられた3本の蛤の串焼きです。
蛤は独特のたれで漬け焼きされ、軽い焦げ目が食欲をそそります。
この串を持って横にスーッと引くまでが、千葉へ来た時の“儀式”のようにすら感じます。
「株式会社リエイ」によれば、あっさりとした味わいの茶飯は、魚介系だしを使った出汁醤油で炊き込まれたものなんだそう。
千葉の豊かな海と食文化のエッセンスが、シンプルにギュッと詰まった駅弁だからこそ、世代を超えて愛されるロングセラーになっているのかもしれません。

E257系 特急 わかしお 外房線 永田 大網

E257系・特急「わかしお」、外房線・永田~大網間

255系電車と共に千葉エリアの特急列車として活躍するのはE257系電車。
5両を基本に、ラッシュ時は2編成を繋いだ10両編成で走る列車もあります。
国鉄時代から千葉では、“房総夏ダイヤ”が組まれ、多くの臨時列車が運行されました。
高速道路が無かった時代、そんな臨時列車に揺られて、千葉駅の「やきはま弁當」を片手に房総の海を目指した方も多かったのかもしれません。

6/28には「ペリエ千葉」もグランドオープンし、ますますバージョンアップする千葉駅。
この夏は改めて懐かしさいっぱいの千葉駅弁と共に、千葉の鉄道旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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