選手が歌った楽曲で振り返る、プロ野球史。「ノムさん、歌、うまいね~」 【ひでたけのやじうま好奇心】

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今年、ニッポン放送ショウアップナイターは50周年。
そこできょうは「ショウアップナイター50周年」を記念しまして「選手が歌った楽曲で振り返る、プロ野球史」をお送りします。

まずは、1965年、当時の人気歌手・本間千代子さんと、
読売巨人軍、王貞治選手がデュエット「白いボール」。

白いボール

実はこれは、ラジオ番組がきっかけとなって、作られた楽曲なんです。
1960年代、大阪の朝日放送のラジオ番組「ABC子どもの歌」というのがあった。
その番組で作られたのが、この「白いボール」だったそうなんです。
この曲を作曲したのは、今年5月に亡くなられた、シンセサイザーの冨田勲さん。
私も若い頃、ご自宅にインタビューに行かせて頂きましたが、楽しい方でした。
NHKのテレビ番組『新日本紀行』や『きょうの料理』などのテーマ音楽を作った方です。
冨田勲さんは生前、インタビューでこの曲について驚くべき事実を告白している。
実は、この曲、本当は王さんではなく長嶋さんが歌うはずだったそうなんです。
しかもレコーディング当日まで、スタッフ全員、長嶋さんが来ると思っていた。
そこに、王さんがひょっこりやってきたのでスタッフ唖然。
しかし王さんに事情を聞くのも失礼となり、そのまま王さんで録音したそうです。
とうの王さんは長年、その事実を知らなかった。
最近になって、そのことを知らされた王さんは、
「私は、ただ球団の人から、スタジオに行くように言われただけだったんですよ。
長嶋さん、歌うのが嫌だったんでしょうね」と笑って答えたそうです。

プロ野球選手が歌った楽曲で振り返るプロ野球史。続いては、この曲です。
現在、阪神タイガースの二軍監督の掛布雅之さんが歌った「掛布と31匹の虫」。

掛布と31匹の虫

これ、知ってる方、いらっしゃいますかね?私は初めて聞きました。
この曲を発売した経緯なんですが、1977年に遠藤良春さんという人が歌った掛布さんの応援歌「GO!GO!掛布」。
これなら私も知ってます。
この曲は関西地方を中心に126万枚の空前の大ヒットとなった。
それならばと翌年の1978年に、掛布さん本人が歌う曲を出そうということになった。
プロデュースしたのが、漫画家の、はらたいらさん。
はらたいらさんは大の阪神ファンで、作詞も担当するほどのチカラの入れようだった。
しかししかし残念ながら、まったく売れなかったそうなんです。
ちなみにこの曲を発売した1978年から掛布さんは、「金鳥」のコマーシャルに出演。
コミカルな演技がウケて、人気は全国区となりました。

プロ野球選手が歌った楽曲で振り返るプロ野球史、最後は1993年に発売された「俺の花だよ月見草」。
月見草と言えば、そうです。歌っているのは野村克也さん。
この曲を作詞したのは、去年亡くなられた山口洋子さん。
いい曲なんですけど売れなかった。
ノムさん、ちょっと、歌、うま過ぎ!
「俺の花だよ月見草」を発売した1993年、
巨人の監督は、野村さんが「ひまわり」と称した長嶋さんでした。

実は実は、同じ1993年に長嶋さんも曲を出しているんです。
CDのジャケットに書かれてあるアーティスト名。
難しくてちゃんと読めませんが、
果てしない夢を/ZYYG REV ZARD  &WANDS featuring 長嶋茂雄」
確かに長嶋さん、歌ってるよ~。

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この曲は、テレビCMで長嶋さんが歌っている映像が流されて大反響を呼んだ。
へえ~。知りませんでした。

1970~80年代、プロ野球選手のレコードが数多く発売された理由について、専門家は色々と分析しております。
昔、プロ野球選手の顔は球場やテレビ、スポーツ誌でしか見られなかったために、レコードをブロマイド感覚で発売していた。
しかし最近はインターネットで、簡単に「選手の顔」が見ることができるためにレコードやCDを発売するプロ野球選手は、ほとんどいなくなった。そうなんです。

売れた曲もあった。でも売れなかったのがほとんど。まあ、ご愛敬!

7月18日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

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