リオ五輪の前に触れておきたい“ブラジルの至宝”『ペレ 伝説の誕生』 しゃベルシネマ【第36回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」

四年に一度のスポーツの祭典、リオデジャネイロオリンピックがいよいよ間近に迫ってきました。
そこで今回の「しゃベルシネマ」では、ブラジルが生んだレジェンド、サッカーの王様・ペレの若き頃に焦点を当てた人間ドラマ『ペレ 伝説の誕生』を掘り起こします。

エドソン・アランチス・ドゥ・ナシメントは、いかにして“ペレ”になったのか…。

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1950年、優勝確実と言われた自国開催のW杯で優勝を逃したブラジル代表。
ブラジルのスラムで生まれ育った少年ペレは、母国チームのまさかの敗北に涙を流す父親に約束する。
「僕がブラジルをW杯で優勝させる」と。

そして、1958年。スウェーデンW杯のブラジル代表チームに、わずか17歳、史上最年少で選ばれたペレ。
しかしそこには、多くの試練が待ち受けていた…。

エドソン・アランチス・ドゥ・ナシメントという名の少年は、いかにして“ペレ”と呼ばれる伝説のサッカー選手になっていったのか。

彼の原点をたどる物語、それが『ペレ 伝説の誕生』です。

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メガホンを取ったのは『ファベーラの丘』で数々の映画賞に輝いた、ジェフ・ジンバリストとマイケル・ジンバリストの兄弟監督。
製作総指揮は『ビューティフル・マインド』で アカデミー賞作品賞を受賞した、ブライアン・グレイザー。
音楽は『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞歌曲賞、作曲賞に輝いた、A・R ラフマーンが担当。
さらに『ブラック・スワン』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされたマシュー・リバティークといった面々が集結。

生きながらにしてレジェンドとなったペレの知られざる感動と興奮の真実を、生き生きと映し出しています。

エモーショナルに感情的に、ペレの華麗な個人技を再現。

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ペレが“サッカーの王様”と呼ばれ、偉大な選手であることは、サッカー好きなら誰もが知る事実。
そしてサッカーをテーマにした映画なら、当然のコトながら重要なのがサッカーシーン。
当時のペレと同等レベル…とはいかないまでも、少年時代のペレと風貌が似ていて、しかもサッカーが出来る俳優を探し出すことが至上命題でした。

結果、少年時代と青年時代、二人の俳優をペレ役に起用。
サッカーシーンでは吹き替えは使わず、本人たちがすべてボールを蹴ってプレイしています。
W杯スウェーデン大会シーンも忠実に再現されており、ペレが個人技で相手チームの選手をかわしながらゴールに向かって行く姿はエモーショナル。
試合の熱狂に巻き込まれ、いつしかブラジル代表を応援している自分がいることに気付くことでしょう。

単なるサクセス・ストーリーではない本物の躍動が、本作には刻み込まれています。

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ペレが活躍した時代と現代とでは、サッカーを取り巻く環境も随分と変化しています。
それでもなお、彼の栄光への道が観る者の心に刺さるのは何故か…。

それは全編を通じて映画の底辺に流れている、自分を信じ続けるブレない精神。
それこそがペレがペレである根源であり、アスリートだけでなくすべての人に共通するスピリッツであるがゆえ、魂を揺さぶられるのではないでしょうか。

ちなみに本作のクレジットにはペレ本人も名を連ね、カメオ出演も果たしています。

そう言えば、この映画が日本で公開となった7月8日、ペレの三度目の結婚のニュースが流れました。
お相手は、日系人の実業家だとか。
現在75歳で、なお現役。

“サッカーの王様”からは、まだまだ目が離せないようです。

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TOHOシネマズシャンテほか全国公開中
監督:ジェフ・ジンバリスト、マイケル・ジンバリスト
出演:ケビン・デ・パウラ、レオナルド・リマ・カルバーリョ、セウ・ジョルジ ほか
©2015 Dico Filme LLC
公式サイト:http://pele.asmik-ace.co.jp/sp/

八雲さんキャプション