北朝鮮が核実験場廃棄の公開取材から日本を外した理由

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5/14 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!②

北朝鮮が核実験場廃棄~外国メディア公開を表明
7:10~お早う! ニュースネットワーク その1:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

豊渓里 北朝鮮 核実験 場 北側坑道 西側坑道

3月17日に撮影された北朝鮮・豊渓里の核実験場の衛星写真。(デジタルグローブ/38ノース提供・ゲッティ=共同) 写真提供:共同通信社

日本の代わりにイギリスメディアに許可した経緯

北朝鮮は一昨日、北東部の豊渓里にある核実験場を廃棄する式典を、「今月23日から25日の間に実施する」と発表した。その様子を取材するにあたり、中国・ロシア・アメリカ・イギリス・韓国の計5ヶ国のメディアには許可したが、日本は含まれていない。

飯田)坑道の爆破などを見せるということですが、これがパフォーマンスに終わるかどうかです。いま入ってきたニュースでは、アメリカのポンペオ国務長官がアメリカのテレビに出演し、「北朝鮮から非核化合意を得るには、安全の保障を与えなければならない」と述べ、金正恩体制を保障する用意があることを示唆したそうです。北朝鮮はいろいろとボールを投げてきていますね。

須田)「なぜ日本メディアが廃棄現場に立ち会えないか?」ですが、これは日本に代わってイギリスが入っています。西側メディアとして入っていくのでしょう。
ただ、考えなければならないのは、よく核廃棄をめぐり「リビア方式」という言い方をしています。リビアの場合は「アメリカとイギリスの情報機関がなかに入り、全部調査して、問題施設を国外へ運び解体・廃棄する」という流れを取りました。繰り返しますが、その中でイギリスが入っている。なので、核問題に関してはイギリスとアメリカが、車の両輪となって進んでいる流れを受け、イギリスに入ってもらった。
もう1つは、イギリスは言うまでもなく北朝鮮と国交を持っています。くわえて、一連の核実験やミサイル実験が相次ぐ前の段階で、イギリスは北朝鮮に入り地質調査などをしているのです。莫大な鉱物資源が北朝鮮に存在するということで、イギリスはビジネス・貿易問題として北朝鮮に協力してきた経緯があって。言ってみれば北朝鮮としてはイギリスは気脈が通じた存在という意識がある。ここに日本を入れてややこしくするのも、西側メディアを入れずにアメリカだけに限定するのも問題があるので、イギリスを選んだ。
なので、行動の背景を見ると、北朝鮮がいま何を考えているのかが見えてくると受け止めていいと思います。

IAEA 本部 オーストリア ウィーン 国際原子力機関

IAEA本部 (オーストリア ウィーン)(国際原子力機関 – Wikipediaより)

豊渓里の廃棄は北が独自に核廃棄を行うことを西側サイドが認めるか確認するため

飯田)核に関しては、「完全で検証可能で不可逆的な核廃棄」という風にアメリカや日本は言っていますが「検証は誰がやる」とか「どこまで期限を切る」とか、そういうのを甘くして貰いたいという、北の要望みたいなものが透けて見えるわけですか?

須田)豊渓里の件もパフォーマンスの一環ですよ。これが廃棄されたとしても何も意味を持つものではないけど、北朝鮮サイドから自分たちの手でそれを廃棄し検証していくことを、西側サイドが認めるかどうか、というリトマス試験紙の役割を果たすのかな、と。「それはダメ。IAEAなどの第3者機関が主導権を握らなくては」みたいな声が出て来るかどうかを見極めようとしている感じがします。

飯田)これ、核廃棄や爆破も北がやるわけだし、どの坑道を選ぶとかも北がやるわけだし。そもそも豊渓里は「前回の実験で大破して使い物にならない」という話もありますよね。

須田)北朝鮮は否定して「まだ使える」と言っていますけどね。くわえて、あまりにも核の放射能被害が出てしまったのと、中朝国境地帯が近く、「中国側が反発していてもう使えない」という指摘もあります。

金正恩 朝鮮労働党委員長 マイク ポンペオ

金正恩朝鮮労働党委員長と会談したポンペオ(2018年3月31日)(マイク・ポンペオ – Wikipediaより)

アメリカはすでに6カ国協議の段階で口頭では北の体制保障を条件提示している

飯田)ポンペオ国務長官が「合意を得るためには安全保障を与えなければならない」と述べているということは、アメリカが先に譲歩する可能性もある、ということでしょうか?

須田)というより、日朝平壌宣言に基づき設置された6カ国協議がありましたよね。中国・北朝鮮・ロシア・日本・韓国・アメリカで、北朝鮮の核ミサイル問題について協議し、解決を目的とする協議です。そのなかで、アメリカはすでに北朝鮮の体制保障を条件提示しているのです。
ただ、北朝鮮サイドは「それを文書化してほしい」という要求したのですが、アメリカがそれを拒否したため、結果的に6カ国協議は空中分解しました。
なので、口頭ベースというか、文書化しないベースなら、アメリカはすでに用意している状況が、当時から続いているのです。

飯田)ベースラインから下がったわけではない。ここはまさに駆け引きしている部分ですね。
でも、北としてはそうやって段階的に譲歩を引き出しつつ、長く延ばすことで自分たちの利益を最大化しようとしている一方で、トランプ大統領は中間選挙もあるし、なるべく早く一定の成果みたいなものを見せたい。これはシンガポール1回で折り合うものですか?

須田)どうでしょうね。北朝鮮サイドがどこまで譲歩しようとしているのかが見えてこないのです。完全に放棄するのなら1回で済みますが、そうでなければ繰り返しになると思います。

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