80年代カルチャーが満載!『シング・ストリート 未来へのうた』 しゃベルシネマ【第35回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回の「しゃベルシネマ」では、明日のレディース・デイにおすすめ!
そして、音楽好きのアナタにはもっとオススメしたい!!
80’sロックに乗せて贈る青春音楽映画『シング・ストリート 未来へのうた』を掘り起こします。

思わず口走った一言から、青春が始まった!

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1985年、大不況のアイルランド・ダブリン。
14歳の少年コナーは、人生のどん底を迎えていた。
父親が失業し公立の荒れた学校に転校させられ、おまけに家では両親のけんかが絶えず家庭は崩壊寸前。
音楽マニアの兄と一緒に、ロンドンのMVをテレビで見ている時だけが幸せだった。

ある日、街で出会った少女ラフィナの大人びた美しさに一目惚れしたコナー。
「僕のバンドのPVに出ない?」と口走ってしまったものだから、さぁ大変!
慌ててメンバーを募集し、“シング・ストリート”なるバンドを結成したコナーは、無謀にも「ロンドンの音楽シーンを驚愕させるPVを撮る」と決意。

猛特訓&曲作りの日々が始まる…。

音楽に目覚めたことで変わっていく、14歳の少年の恋と成長を描いた『シング・ストリート 未来へのうた』。
本作のメガホンを取ったのがジョン・カーニー監督。

この方、とにかくスゴいんです!
これまでにも『はじまりのうた』『ONCE ダブリンの街角で』と、音楽映画を制作。
共に全米でも日本でも大ヒットを記録しているのですが、そのきっかけが “口コミ”。
SNSを中心に「幸せな気分に浸れる映画!」「もう一回観たい!!」と評判を呼び、ロングランに次ぐロングランを記録しました。
『はじまりのうた』に至っては、日本では公開当初10館という小規模公開だったにもかかわらず、最終的に興行収入1億円超え。

やっぱり、いい映画はしゃベリたくなるモノなんですよね〜。
音楽映画ファン待望のカーニー監督最新作である本作、ハッキリ言って、前二作を超えた完成度。
観終わった後の満足度も高く、早くも注目を集めています。

Go Now… 観に行くなら、いま!

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そんな『シング・ストリート 未来へのうた』は、カーニー監督の半自伝とも呼べる映画。
思春期の少年が崩壊した家庭から徐々に目を背けるようになり、仲間と共にバンドを結成し没頭していく…というストーリーは、監督自身の音楽人生を綴ったものだとか。

それだけに、劇中の音楽は特にこだわりを持ってセレクトされたとのこと。
ザ・クラッシュ、ザ・ジャム、ホール&オーツ、デュラン・デュラン…、80年代の名曲が次々登場。
曲が差し込まれるタイミングがなんとも心地よくて、アラフォー世代には懐かしく若い世代には新鮮に映る「これぞUKロック!」と唸るようなラインナップ。

これだけでも充分心がトキメクのですが、本作のために書き上げられたオリジナルナンバーが、これまたキャッチー。
音楽が人と人の心をつないでいくサマに、“青春”という言葉の意味を体現するようなハジけた感覚を味わえることでしょう。

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私の青春時代…と言えば、高校の演劇部でしょうか。
授業中は貴重な睡眠時間で、すべては放課後の部活動のため。
外が暗くなるまで練習に明け暮れ、全国大会を目指したものでした。

…と、忘却の彼方になりかけていた記憶を書き起こした途端、懐かしさと共に小っ恥ずかしさがジワジワとこみ上げてきました。
“小っ恥ずかしい”というより“甘酸っぱい”思い出と言った方がいいのかな。

この映画を観ていると、自らの意志で未来を切り開こうとする主人公たちのひたむきな姿に、自然と自分の青春時代を重ね合わせてしまいます。
迷いも不安もなく突き進んでいたあの頃のエネルギーが無性に懐かしく、身体の奥底がムズムズするような衝動に駆られるのです。
マルーン5のアダム・レヴィーンが本作のために手がけた「Go Now」というナンバーが語りかけるように、今日もまた「前に進む」ための元気と勇気をもらえること、間違いなしの一作です。

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2016年7月9日からヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国順次公開
監督・脚本:ジョン・カーニー
出演:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、エイダン・ギレン、マリア・ドイル・ケネディ、ジャック・レイナー、ルーシー・ボーイントン ほか
© 2015 Cosmo Films Limited. All Rights Reserved
公式サイト:http://gaga.ne.jp/singstreet/

八雲さんキャプション