7月15日(1967)はザ・スパイダース「風が泣いている」がリリースされた日~ハマクラさん作の「夕陽が泣いている」の姉妹曲は矢吹ジョーも口ずさんだヒット! 【大人のMusic Calendar】

7月15日(1967年)はザ・スパイダースの「風が泣いている」がリリースされた日である。

フィリップス・レコードからリリースしたザ・スパイダースのオリジナル・シングルとしては7枚目の楽曲であり、この作品の前には4月20日に洋楽のヒット・カヴァー曲のカプリング・シングル「バラ・バラc/wダンス天国」を発売していた。

前年秋の「夕陽が泣いている」の特大ヒットは一躍ザ・スパイダースを新しいビート・グループとしての頂点に押し上げたが、この年には2月に注目のザ・タイガーズがデビューし、春にはブルー・コメッツが「ブルー・シャトー」を大ヒットさせ、いよいよ《グループ・サウンズ》時代の到来を予感させた。そんな最中に「夕陽が泣いている」で成功した当時、まだ珍しかったシンガー・ソングライターの浜口庫之助氏(ハマクラさん)は、またスパイダースのために自ら新曲を書いてきた。

それがこの「風が泣いている」という歌だった。英語のGO!GO!と当時世界的に若者に支持された激しいロックのリズム〈ゴーゴー〉、それに風が吹きすさぶ擬音の〈ゴーゴー〉という音の3つをうまく掛けた歌詞が見事に決まっている。♪ゴ、ゴ、ゴーという歌いだし部分は一度聴いたら耳を離れない印象的なフレースだ。

前作と同様というかそれ以上に哀愁味とスケール感のある“ハマクラ”節で、ハマクラさんとしてもかなりの自信作のようであった。林一さんの見事な嵐のようなストリングスとコーラス・アレンジもスリリングな効果を発揮し、スパイダースのバンド・サウンドとマッチしてこれにマチャアキのスケール豊かなヴォーカルが生きていい仕上がりとなった。

曲がちょっとハイ・ブローな所為か「夕陽が泣いている」には及ばなかったが30万枚のセールスを記録した。個人的にはこの歌は石原裕次郎が歌った「粋な別れ」とともにハマクラさんの作った最も質の高い名作のひとつだと思う。

「夕陽が泣いている」が批判されたようにこの曲もスパイダース本来の先鋭的なロック・フレイバーとは確かに異質の曲ではあるが日本の優れた歌謡ポップスとして日本人の心にすっと入ってくる名曲であり、ソリスト堺正章の人間的なキャラクターや声にぴったり嵌ってヒットした。このシングルのB面は井上順のソロをフィーチャーしたやはりハマクラさんの作詞作曲になる名バラード曲「君にあげよう」でこれも井上らしい暖かい雰囲気が最高である。

当時人気の漫画『あしたのジョー』第1巻で主人公の矢吹丈が泪橋にこの「風が泣いている」を口ずさみながらやってくるシーンがあったのも懐かしい。

尚この曲をフィーチャーしたLP「風が泣いている/スパイダース・アルバム・No.4」が8月25日に発売された。

【執筆者】本城和治

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