人を優しい気持ちにする不思議なボルゾイ・ジャスミンの日々 【わん!ダフルストーリー】

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■憧れのボルゾイが我が家に!

ジャスミン(w680)
ジャスミン

ボルゾイ犬を知っていますか?

その昔、ロシアの貴族がオオカミ狩りに使っていたという大型の猟犬です。ボルゾイ(=ロシア語で「俊敏な」の意)の名の通り非常に足が速く、中には時速50kmを超えるスピードで走るものもいるのだとか。緩やかにカールした毛をなびかせて走る様子はとても優雅で、まさに「貴族の犬」の風格!公園などで散歩中のボルゾイを見かけて見とれちゃった…という方も多いのではないでしょうか。

埼玉県に住む中田真佐美さんもその1人。「いつかボルゾイと暮らしてみたい」という長年の念願がかなって、3年前、ボルゾイのジャスミンちゃんを家族に迎えました。

もともと犬が大好きで、これまでにもセッターやシュナウザー、ミニチュアダックスなど様々な犬と暮らしてきた中田さんでしたが、ジャスミンはそのどの犬とも違う、ちょっと変わった個性を持つ犬だといいます。

中田さんと娘さん、そして「次女」のジャスミン(w680)
中田さんと娘さん、そして「次女」のジャスミン

「ジャスミンは犬なのになんとなく猫のような性格。小型犬のように飼い主にまとわりついたり甘えたりして自己主張をしないタイプです。自分が『甘えたい!』と思う時以外はつかず離れず、静かに私たちを見守っています」と中田さん。
中田さん一家がリビングで寛いでいるときも、普段は自分専用のソファに優雅に横たわってこちらを見ているだけのジャスミンですが、自分が甘えたい気分の時はすっと傍に寄ってきて、大きな体ごと無理やり中田さんの膝の上に乗ってきたり膝に顔を置いてきたり…。
「甘える仕草と、普段のクールさとのギャップが大きくて、すごく可愛いんですよ」と中田さんは目を細めます。
「よく『目は口ほどにものを言う』といいますが、吠えたり騒いだりしないジャスミンはまさに目で会話ができる犬。例えばトイレが上手にできたときにいつもご褒美をあげているのですが、それを私がうっかり忘れてしまっても、ご褒美をねだって吠えたりはせず、ただあの大きな目でじっと私を見るだけ。それだけで『あ、ご褒美を忘れてた!』って気が付きます。人間の言葉は通じないけど、心は確かにしっかりと通じ合っているんですよね。だから犬を飼っているというより、本当に家族が1人増えたような気持ちでジャスミンと暮らしています」。

■ジャスミンの必殺技「股くぐり」!!

時には甘えん坊になるジャスミン(w680)
時には甘えん坊になるジャスミン

そんなジャスミンの毎日は、とっても規則正しいのが特徴!まるで時計が読めるかのように、毎日決まった時間に起床。トコトコと中田さんのベッドまでやってきて枕元に座り、大きな目でじっと中田さんをみつめます。
「おかげで目覚まし時計は要りません。休みの日はもう少し寝ていたい…とも思うのですが、あの目で見つめられるとどうしても目が覚めちゃいますね」と中田さんは苦笑い。
そして中田さんかご主人と一緒に朝の散歩へ。学校や仕事へ行く家族を見送ったあとは、自分の定位置でのんびりと過ごしていますが、3時近くになると階下に住むお母様のところへ移動。お決まりのおやつをもらってのんびり過ごしますが、家族の帰宅時間が近づくと窓辺に移動。帰宅してくる家族の姿が見えるまで、じっとそこに座っているのだそうです。

「どんなに遅くなった日も3階の窓を見上げると、ジャスミンが待ってくれているんです。その姿を見た途端、仕事の疲れもふっとびますね」。

そんな生真面目な性格のジャスミンですが、ちょっとお茶目な「クセ」もあるそうです。それは…、なんと「股くぐり」!

「いい子、いい子」と褒められると、なぜか傍にいる人の股をくぐるクセがあるのです。

先日、中田さんが散歩の途中にみつけた落とし物を交番に届けたときのこと。交番で中田さんが書類に記入している間、おとなしく待っているジャスミンを見た警察官が「この子は待たされても吠えずにおとなしく待っているね。いい子だなあ、ホントにいい子だ」としきりに褒めてくださったのだそう。
するといつものように「いい子」に反応したジャスミン、大きな体をすくめて、いきなりおまわりさんの股をくぐり始めました。突然のことに、お巡りさんはびっくり→大笑い!
「おとなしい犬なのに、なぜかジャスミンと一緒にいると、笑いが絶えないんですよね。ジャスミンが来てから、私も家族も声を出して笑うことが増えたような気がします」。

■今夏の目標はプールで一緒に泳ぐこと!

中田さんとジャスミン(w680)
中田さんとジャスミン

中田さんにはもう1つ、ジャスミンの不思議な力を感じる瞬間があるそうです。それは「時間の流れを変える力」。
たとえば悲しい出来事があって中田さんが涙を流して泣いていると、ジャスミンは音もなくスッと傍に来て、涙をペロッと舐めてくれます。仕事上の心配事があって思い悩んでいるときも、やはりそっと傍に寄ってきて膝に頭をのせてきます。

「その瞬間、パッと時間の流れが変わるんです。悪い方へ悪い方へ流されていく気持ちが、ジャスミンによって一気に現実に引き戻されるような感覚です。悲しいこと、悔しいことがあったときって、どうしても過去の出来事に心が奪われてしまって、時間が過去に逆流してしまうような感覚に陥りますが、ジャスミンはそんな私を『今』に戻して、前向きな気持ちにしてくれるのです。ジャスミンのこの不思議な力に何度救われたかわかりません」と中田さんは振り返ります。

さて、今年ももうすぐ夏休み。ロシア原産のボルゾイは暑さに弱いので、夏になるとジャスミンは早朝と日没後の散歩以外はほとんどの時間をクーラーの効いた室内で過ごします。
「退屈かもしれないなと思って、去年の夏はドッグラン併設の犬用プールに連れて行ったのですが、ジャスミンは水に入った途端、びっくりしたのでしょうか、マンガみたいに猛スピードで脱走してしまって(笑)。今年こそはプールに慣れてもらって、一緒に泳いでみたいですね」と中田さん。

「ほかにもジャスミンと一緒に楽しんでみたいことはいろいろあります。でも、一番大切なのは、やっぱり何でもない普通の1日ですね。家族みんなでジャスミンと一緒にいつもどおり楽しく過ごせる幸せを大切に、1日1日を丁寧に暮らしていきたいと願っています」。

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  わん!ダフルストーリー Vol.20

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