ニッポン放送の経営権に関するニッポン放送社員声明文
平成17年3月3日
株式会社ニッポン放送社員一同

リスナーの皆様
スポンサー、広告会社の皆様
出演者および関係会社の皆様
株主の皆様
そしてフジサンケイグループの皆様


最初に、この度の株式会社ライブドア(以下、ライブドア)と弊社との間に起きた問題に関し、ご心配をおかけしておりますことをまずお詫び申し上げます。

当事者であることから、私たちニッポン放送の社員はこれまで、直接の発言や放送での言及を控えてまいりました。

2月8日のライブドアによる弊社の大量株式取得以来、私たちは大きな喧騒の中に置かれながらも、弊社の本業であり、公共の電波を預かる者としての義務であるラジオ放送を平常通り行うことに社員一同専念してきた次第です。

しかしながら、最近の過熱報道では、当事者である私たちの想いの届かないところで議論される状況がますます顕著になってきており、今こそ私たちニッポン放送社員の総意を明確にすべきであると判断して当声明を発表することに致しました。


声 明

私たちニッポン放送社員一同はフジサンケイグループに残るという
現経営陣の意志に賛同し、ライブドアの経営参画に反対します。



ニッポン放送には開局以来、スポンサー・出演者・株主等多くの理解者に支えられながら、リスナーと共に50年という歳月をかけて営々と築き上げてきた企業価値があります。特に、私たちは先輩たちから伝承されてきた放送人としての精神を大切にしております。それは、「リスナーのために」です。いつも私たちはこのことを心の拠り所や判断基準として日々の業務に取り組んでおります。

一方、ライブドア堀江貴文社長の発言には「リスナーに対する愛情」が全く感じられません。ラジオというメディアの経営に参画するというよりは、その資本構造を利用したいだけ、としか私たちの目には映りません。

責任のある放送や正確な報道についても、堀江社長が理解しているとは到底思えません。弊社はもとより全ての民間放送の放送基準にあります通り、私たちは常に「リスナーのために」にこだわっています。それに背く事はしない−そう先輩達に教えられ、後輩達に教えています。それが"放送"です。

一例ですが、ニッポン放送はこの30年間、毎年クリスマスに「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」という24時間のチャリティ番組を放送し、視覚障害者のために音の出る信号機を設置する募金活動に社員一丸となって取り組み続けております。私たちが、ニッポン放送が、リスナーの皆様そして社会と共に生きていることを深く実感する機会のひとつです。

今回、ニッポン放送がライブドアの傘下に入れば、互いに触発しあいながら発展してきたフジサンケイグループの仲間達をはじめ、永く応援して下さっているスポンサー各社、協力関係各社の皆様から関係の見直しを余儀なくされることも十分に予想されます。

私たちは今回の問題が司法の場で適正に判断されて私たちの考えに沿った決定が成され、この混乱が一刻も早く終息することを心より願っております。

最後に、私たちはこれからも明るく楽しい番組を皆様にお届けするため、精一杯努力することを誓います。


以上