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ニューロン再生!そこには人類の未来を変える可能性があるのだ!
「私の灰色の脳細胞が活動を始めた。」
ホームズと並んで、世界で最も有名な私立探偵エルキュール・ポアロの名台詞だが、
脳や脊髄などの中枢神経系の神経組織は、ニューロンという神経細胞と、
グリア細胞というものによって構成されておる。
その中でも、神経細胞が存在する部分を灰白質(かいはくしつ)と総称し、
他の部分に比べて、少し暗い色をしている。ポアロ正解。
しかし、脳のメカニズムは、21世紀の現在においても解明されていない。
例えば、アルツハイマー病やうつ病といった神経疾患にも、神経細胞がなんらかの作用を
しているのではないかと言う説も存在するが、その研究もいまだ、道半ばである。
と言うわけで、今回のギザサイエンスには
慶應義塾大学・医学部生理学教室・岡野研究室の皆さんが来てくれたぞ。
岡野栄之教授率いるこちらの研究室は、『中枢神経系の発生と再生』をテーマに日夜
頑張っておる、日本最先端、いや世界に誇る研究チームなのだ。
松田 賢(まつだ・さとる)さん
石井 聖二(いしい・せいじ)さん
今泉 陽一(いまいずみ・よういち)さん
まりがとうございまみたすお。(ワシに言われると気持ち悪いかな?)
神経細胞の再生というのは、つまり神経細胞発生のメカニズムを把握する事から始まる。
細胞再生の分野での進歩発展はとみに目覚しく、体の違う部分の細胞から神経細胞を
作り出す事を研究しているのだそうだ。今回は、その神経細胞を移植した実験体が
移植する前は歩けなかったのに、移植したら歩ける映像を見せてもらった。
中川君は目を見張って驚いておった。
この研究が進めば(勿論今は、動物などの実験に限られておるが)、交通事故などで
脊髄を損壊してしまった人が、治る可能性が広がると言う事だ。
素晴らしいではないか。ワシもちょっと興奮してしまった。
中川君は、「もうこんなところまで来ているんですね」と科学の進歩に対して畏敬の念を
感じておったが、ワシも激しく同意だ。
前回の公開録音では、京都大学の皆さんが免疫に関しての研究をしておった。
そこにも無限の可能性があり、ここにもまた巨大な明るい未来が存在する。
彼らサイエンティストたちの研究が一つに結びついたら、
素晴らしい医療が生まれるに違いない。ワシはそんな未来を信じる。
そして今回もう一つ特筆すべきは、(見学に)彼女連れてきた人がいたぞ!すげー。
ここにはその名前は記さぬが、ギザサイエンス史上初の快挙だ。
中川君は「これからどこ行くの?」としつこく聞いておった。ワシも聞きたかった。
これからも仲良くの。
それでは、今回はここまで。
脳をもって脳を考える。面白いではないか。人間の脳は、多くの謎に満ちている。
その謎を解き明かすのもまた人間の脳なのだ。 |
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