KYOCERA 近未来story 中川翔子のG<ギザ>サイエンス! JOLF AM1242/FRIDAY 24:30〜25:00 ON AIR! メールはこちら
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京セラ 株式会社
株式会社 日経サイエンス
研究内容
参加ゼミ
2008.08.22 放送
東京大学大学院 理学系研究科
地球惑星科学専攻
田近 英一 研究室
多様な生命を育む地球も、過去においては、地球全体が凍りついたり、海水中の酸素が枯渇したり,小惑星が衝突したりして、生物の大絶滅が何度も生じたと考えられています。
「地球史における大規模地球環境変動の実態はどのようなものだったのか?」「地球環境システムの安定化メカニズムはどのようなものか?」我々の研究室は、こうした問題を、数値シミュレーションやフィールド調査を通じて明らかにしようとしています。
本日の研究レポート
人類よ記憶せよ!地球はいつも大変だったのだ。

スノーボールアースという単語をご存知だろうか?これは地球という星が
全球まるごと凍ってしまった事を言うのだが、最近の研究では
どうやらそれが実際に起こっていたらしいのだ。
今回のギザサイエンスは、クソ暑い夏の最中にちょっとでも涼しくなろうと
(いや、正確には偶然なのだが)そんなスノーボールアースを含め、
45億年を数える地球の歴史上に様々に起こった環境変動を研究している
東京大学の大学院・理学系研究科・地球惑星科学専攻・田近英一研究室の皆さんが
スタジオに来てくれた。
金井 健(かない・けん)さん
松岡 景子(まつおか・けいこ)さん
尾崎 和海(おざき・かずみ)さん
まりがとう。
話を聞いてみると、スノーボールアース以外にもこの地球は色々な現象を経験しており
例えば松岡さんは、PETMと呼ばれる5500万年ほど前の急激な温暖化を
研究してたり、尾崎さんは海洋無酸素イベントと呼ばれる海の中に酸素がなくなって
しまう現象を研究しておったりする。
いやはや、人類がこうして文明を築くようになってたかだか数千年。
しかし、彼らが語るタイムスケールは、数千万年から数億年というものだ。
その途方もない数字は、実感を得る事は我々凡人には難しいが、それらの地球の記憶を
辿る事によって、それこそ現在ただいま我々が直面している「地球温暖化」という
問題に一つの鍵を与えてくれるかもしれない。実に実に大事な研究であると言える。

彼らの話によれば、地球というこの星の環境は驚く程の変動を経験してきたらしい。
今我々が住んでいる安定した優しい環境の地球などは、つい最近のことでしかなく、
であればこそ、我々人類はここまで繁栄できたのかもしれない。
スノーボールアースの頃はマイナスのとんでもなく寒い時代。(アフリカ大陸も凍って
いたなんて信じられるかね?)
しかし、一転して温暖化の時は今よりも暑く、南極の海も全然泳げるほどの温度。
これらの話からワシが思うのは、「絶対なものなど存在しない。」という事だ。
ワシらは数十年の生命しか与えられぬから、その時間の中でしか
モノを見る事が出来づらい。しかし、長い目で見てみると安定していたものも不安定と
不安定の真ん中のちょっとした時間でしかないのかもしれない。
逆に、大規模な環境変動が起こった後の地球上では、生物の世界でのドラスティックな
変化が起きるのも常である。
つまり、地球は環境変動を起こす事で、地球上の主役を変えているのかもしれぬ。

中川君がこんな質問をしていた。
「地球と言う惑星を、一つの生物だと感じた事ありますか?」
全員がイエスと答えた。

現在の我々が解決せねばならぬ地球温暖化問題。これは人類の問題であって
地球自体の問題ではない。この温暖化の末に人類が滅び、新たな主役が登場する・・・
そんな未来にならぬようにしたいものだ。

今回も色々と考えさせてくれた。まりがとう。
番組感想メールも待っておるぞ。