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ネット社会とコンピューターの未来を科学せよ!
2006年に、漫画誌の『週刊モーニング』に読み切り作品として一つの漫画が
掲載された。タイトルは「HOTEL」。作者はBoichi(ボウイチ)という人だ。
これは、海水の高温化により人類の滅亡が避けられぬとなった近未来から始まるSFで、
人類はDNAを二つの方法で保存しようと試みる。一つは『方舟』と呼ばれる宇宙船で
人類そのもののDNAを『人類が生存できるかもしれない天体』へ送る事。
そしてもう一つは、気温が270度に達し、生命体が何も生き残れなくなった『地球』に、
DNAを保存するための塔を作り人口知能が管理する。
この物語はなんと2700万年を描いている。人工知能は自己修復を繰り返し、
過酷な環境の中で、ホテルの客であるDNAを保護するために必死の苦労を続ける。
この漫画の後半には生きている人間は誰一人出てこない。ただ一つのコンピューター
(と呼ぶべきかどうかも迷うが)が、己の使命を全うする事に全力を尽くす姿がある。
で、前置きが長くなったが、今回のギザサイエンスは
コンピューターと人間との関係性について研究をしている
佐藤准教授率いる、同志社大学工学部・情報システムデザイン学科・ネットワーク
情報システム研究室の皆さんが来てくれた。
岡部 朗(おかべ・あきら)さん
前山 晋哉(まえやま・しんや)さん
綾木 良太(あやき・りょうた)さん
の3名だが、なんと彼らはプログラミングの世界的な大会で優勝をしたりとか、
これから世界大会に出かけるとか、なんとも『世界的』が人たちなのだ。
それぞれの研究も面白いぞ。例えば、ネットワーク上にハードディスクがあるみたいに
更に簡単にアップロードやダウンロードが出来るようになるプログラムの開発だったり、
家電同士のネットワークの向上だったり、キーボードではなく
音声だけでコンピューターが機能するようになるなど、聞いているだけでもワクワクする
研究にいそしんでいる。
また、人類がいなくなった後のコンピューターだけの世界についての研究を行っていたり
もする。これなどはまさに、先ほどの漫画「HOTEL」だな。
今や、コンピューターを抜きにしてこれからの文明社会の発展は考えられぬ。
その分野は、経済においても科学においてもまさに『現代のフロンティア』と呼ぶに
ふさわしい新たなる地平が広がっておる。彼らのような若きサイエンティストたちが
その地平を切り開いていくのは至極自然の姿なのだろう。
がんばってほしい。
けれど、漫画「HOTEL」のような悲しいコンピューターを作ることがないように
我々人類は、心がけていきたいものだの。
ちなみにBoichiさんは、この前『モーニング』に(そういえば、中川君は
『社長・島耕作』にモデルとして登場しているらしいの。島社長の秘書さん。)
新作『全てはマグロのためだった』という漫画を描いておった。これまたSFで、
面白かったのぉ。是非是非、これからも面白いギザサイエンスな作品を描いてくだされ。
では今回はここまで。バイバイギザ!
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