KYOCERA 近未来story 中川翔子のG<ギザ>サイエンス! JOLF AM1242/FRIDAY 24:30〜25:00 ON AIR! メールはこちら
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090327.九州大学大学院/味覚を測る
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090320.東京理科大学/アポトーシス
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090306.筑波大学大学院/体性感覚メディア
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京セラ 株式会社
株式会社 日経サイエンス
研究内容
参加ゼミ
2008.04.25 放送
京都大学 生存圏研究所
山川 宏 研究室
宇宙航空開発機構(JAXA)
船木 一幸 研究室
人類が宇宙へと進出していく日。山川研究室、船木研究室では、そのときのために必要な宇宙環境の研究を行ってきた。基礎研究の応用のひとつとして期待されるのが宇宙ヨットだ。宇宙ヨットは、従来のロケットのように燃料を消費しながら進むのではない。宇宙空間に特殊な帆を広げ、太陽から発せられるプラズマ(太陽風)の力で進む。そのため、より遠くまで進むことができ、日本でもJAXAなどが将来の惑星ミッションに使うことをめざし研究を進めている。
本日の研究レポート
宇宙の風をつかまえろ!ヨットで進む宇宙大航海時代!

日本人宇宙飛行士土井さんが、日本の国際宇宙ステーションに実験棟「きぼう」を
設置するなど、今また宇宙が熱い!と言う訳で、
我が「中川翔子のGサイエンス」も、ここから2週にわたって
宇宙にスポットを当ててお送りするぞ。(偶然だけどね。)

初回となる今回は「宇宙版ヨット」を作ろうと頑張っている
京都大学(Gサイエンス初参戦!)と、総合研究大学院大学(こちらも初参戦!)から
3人の若きサイエンティストが来てくれた。
総合研究大学院大学・船木研究室からは上野 一磨(うえの・かずま)さん
佐藤 博紀(さとう・ひろき)さん・修士1年。
京都大学・山川研究室からは佐々木 大祐(ささき・だいすけ)さん。以上の三名。

宇宙版ヨットとはどんなものか。実は太陽からは「太陽風」と呼ばれる
プラズマがなんと毎秒100万トンも噴出している。これは非常にスピードが速く、
毎秒450キロとか、600キロとか言うスピードで宇宙を渡っている。
(番組冒頭で話した、ボイジャーなんかは、毎秒15キロくらいしかスピードが
出ない事を考えると、とっても速い。)
この宇宙を渡る風を、まるで帆船のように帆を張って受け止めてその力を推進力に
宇宙を進む宇宙船を作ろうと言うのが、彼らの研究テーマなのである。
勿論、帆と言っても布ではない。宇宙空間に磁気プラズマを発生させて、
それで太陽風を受け止める。このシステムの素晴らしい事は、まず第一に
燃料が要らないこと。そして先ほども説明したが速い。
数年のうちに実験機を打ち上げたいと言っておったから、もしかしたらワシらが
生きている間に実用化など行われるのかもしれない。ワクワクするの。

今回の番組で博士であるワシがたまげた事は、中川君のことだ。
ボイジャー1号・2号が太陽系から脱出するスピードを得るために使用した、
惑星の引力を利用する「スイングバイ航法」なるものの説明しようとしたら、
彼女はなんとスイングバイの事を知っていた。ぶったまげた。

いつの日か、太陽風をプラズマの帆一杯に受けて宇宙の海を悠々と進む宇宙ヨットが
出来たら面白いの。
人類はかつて、地球を渡る様々な風を帆に受けて七つの海を切り開き発展してきた。
そして、産業革命がエンジンを作り、帆船などが時代遅れとなったその最先端に、
再び宇宙という未知なる海を漕ぎ出す手段が帆船なのだ。
そこにはきっと、あの大航海時代と同じような勇気と知恵と人間力が
必要になるであろう。
人類よ。宇宙という海へ乗り出そうではないか。
今一度、大航海時代が待っている。