「何だこりゃ、住まいのネーミング」
先週、マンション販売業者のことを書いたら、
そんな不動産屋さんばかりじゃあないと読者から、
手紙とともに資料が送られて来た。
値段やら広さが書いてある豪華なものではなく、
ワープロ打ちの「ネーミング辞典」というもので、
言葉を生業とする仕事柄、何かの参考になればという、
有り難い言葉が添えてあった。
販売よりも、仲介を主とする不動産屋さんの稼ぎ時は、
年度末に次いで、お盆明けなんだと。
女房と畳は、なんてことを言う、新年に向かう年末よりも、
どうかすると秋に向かって、さらに、その先の暮れに向かって、
住まいを替えようという人が多いらしい。
なるほど、敷金や礼金が無くなってきて、
洋服や眼鏡を替えるように、住居を替えようという若人が
増えてくるのも大いに頷ける。
「引越」というと大層だが、関西弁では「宿替え」。
今の時代には、この方が合うかも。
そこで大家の方も、若い世代を取り込もうと、
アパートのネーミングにも凝るというわけだ。
もう、アパートなんて付けてるとこは、ないでしょうね。
「福寿荘3畳1間で2万円」なんて雑俳もありますが、
「荘」も「倒れ荘」な建物にしか付いていない。
辞典には200以上が、列挙されていたが、
面白いとこを見繕って。答えは文末。
①アトリオ ー庭もないのに、これいかに。
②ヴェルミドールーそばにゴミ置き場があってもか。
③エーデルハイムーハエでるハイムじゃないの。
④カーサ ーたまに見かける。
⑤カサグランデ ー名は体を表さない。
⑥ラコレス ーなんだこりゃ。エスカルゴだとばっかし。
⑦クレール −でも、家賃はとられーる。
⑧サンパティ ー天気のいい日、下着を干したくなる?
⑨シャトー −これは、あるねぇ、似つかわしくないけど。
⑩ディアコート −直訳すれば正解だけど、そんなとこある?
⑪ドエル −よくある。
⑫ドミール −似たようなもん。
⑬バンリュ ー中国の長ーい城じゃぁない。
⑭ボヌール −新婚向き2DKか。
⑮マ メゾン −住所、書くとき、こっ恥ずかしいや。
⑯マノワール −喫茶店でも画家でもない。
⑰レジデンス −そこらにある。でも、意味を知ると呆れ返る。
いやはや、このカタカナの後に、お住まいの地名、
最寄りの駅名をくっつけてみてください。
寒気がしますな。
さぁ、正解です。
①中庭
②美しい館
③高貴な家
④家
⑤大きな家
⑥かたつむり
⑦明るい
⑧共感
⑨宮殿
⑩親愛なる館
⑪住む
⑫住居
⑬郊外
⑭幸せ
⑮私の部屋
⑯邸宅
⑰大邸宅
正解率は、日常生活になんら影響を及ぼしません。
でも、今、お住まいの家がこんな名だったら、
宿替えも考慮に。
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