1242 ニッポン放送
つかちゃんコラム
塚越孝
塚越孝
column
8月27日

丁度、一年になります。
色んなことがありすぎて何年も前のような気もしますが、
今月三十日で新局舎、丸一年を迎えます。
たまたま、私が、有楽町復帰第一声を放ったのですが、
もとの有楽町に落ち着くまでに時間がかかるもんです。
今、ようやく落ち着き、活気を取り戻しつつあります。

全国に新しい豪奢なハコ物がありますが、
どこも悩んでいるのは、どんなソフトを提供できるかということです。
こうした建築物は、どうも、首長の自己顕示欲と、
依頼された建築家の実験的な作品になっていて、
利用者、納税者は蚊帳の外。
中は、暇な職員と、涼みに来る年寄りばかり。

そこへ行くと、我がニッポン放送は、警察、消防のビルと
蚕糸会館という大きなビルに挟まれた狭い土地に建てた
九階建ての実にコンパクトなハコ。
使い勝手のいい、これぞラジオ、という小回りの利くつくりです。
建て替える七年間は、誰もが知っているビル、
フジテレビの球体の脇、二十三階と二十四階にいました。
地上百メートルのスタジオは、そらまぁ、空は近いし、
眼下にはお台場の海が広がるわ、とても快適でした。
でも、ちょこまか動き回るラジオには、ちょっと似つかわしくない。

ごくごく身近な弁当。
お台場では、日に五万食もつくる有名な弁当屋、
フジテレビの分もありますから、ドーンと配達に来て、
よく利用していました。
他に海を越えた新橋の居酒屋がついでにやっている弁当、
向かいのビルのカレー屋からも取りました。
焼きたてのナンにカバブなど、真似のできない美味しさ。

インド人が、たどたどしい日本語に笑顔をたたえて、
「おひとつからで持って行きますで、よろしくおねげします」なんて、
当初は殊勝に言っていたのだが、お台場が賑わい、
店が繁盛してくると、二つも三つもたとえ十でも二十でも
「出前やらない」という豹変インド人にもう、びっくり。
結局、お台場では五万食のとこが一番でした。

有楽町は、銀座も新橋も神田も目と鼻の先、
電話一本、小一時間で、たいがいの物を食すことが出来る。
競争も激しいから値段も安い。
重宝していたのは、近所のレストランが、
塗りのいい、大きなハコに色んなおかずを入れてくる弁当。
木の椀にインスタントみそ汁の袋も入って大好評。

ところが、ハコの中身が日に日にせこくなり、
ランチバイキングの残り物ということがあからさまに。
白いご飯に、なにやら小さい細いもんが混じってる。
よーく見ると縮緬雑魚。
明らかに店で出している、じゃこ飯の一部。
お椀には、粉を吹いたように味噌の筋がついていました。
スタッフ一同、昼も夜も出前も、当分、見送ろうということに。

明日まで、ハコの中身が問われる夏の聴取率調査期間、
狭いながらも楽しい、山椒は小粒でもぴりり、
ニッポン放送のソフトにご期待ください。




 
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