1242 ニッポン放送
週間井筒書店
井筒和幸
Diary
3月26日
「古希の雑考」(岸田秀著/文芸春秋刊)
古希…七十歳。「古希の雑考」とは
七十歳にしていろいろ考えたということですが、
この岸田秀さん、四十歳のときに「不惑の雑考」という本を
出されてますんで、その第2弾といってもいいでしょう。

パッと帯を眺めても、様々なジャンルの言葉が並びます。
「総理」と「草履」は使い捨て。
抑圧的文化と自由放任教育。
守るべきは教育か、教員か?
銃とアメリカに、アメリカはなぜイスラエルを支援するのか。
さらには、グラビアアイドルの世界や、
日本文化としての痴漢…そんな項もあってジャンルは広い!
しかも、うなづくことばかりです。

「ものぐさ精神分析」で一躍有名になった岸田さんが、
日本人の精神論を実に分かりやすい言葉で書いた一冊。
ぜひ一度、読んでみて下さい。

2年9ヶ月、お聴きいただき、有難うございました!

<著者について>
岸田秀(きしだ・しゅう)
昭和8(1933)年、香川県善通寺市生まれ。
早稲田大学文学部卒業。現在は和光大学教授。
中学時代から強迫神経症に悩まされ、自身の心の問題を
解決しようとしたことが、精神分析の道に進んだきっかけ。
やがて強迫症状は、全て自分を支配しようとした母親との
葛藤から起きたものと悟り、神経症から解放される。
昭和52(1977)年、人間は本能の壊れた動物であり、
「幻想」や「物語」に従って行動しているに過ぎないとする
「史的唯幻論」を「ものぐさ精神分析」の中で披露、
一大センセーションを呼ぶ。
以降、精神分析学の手法を社会、集団にも適用する
特異な文明評論家として人気を博す。
主な著書に「ものぐさ精神分析」(3部作)のほか、
「嫉妬の時代」「フロイドを読む」「吹き寄せ雑文集」
「ものぐさ箸やすめ」「心はなぜ苦しむのか」など多数。




 
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