「あなたとハッピー!」の放送の中でもお話させて頂いたので、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが・・・・・
この度9月7日から開幕するリオパラリンピックへ行くことになりました。

私は去年10月から今年の3月にかけて、半年間「車椅子バスケットボールスピリッツ」という番組を担当していました。

リオパラリンピックでは、車椅子バスケを中心に様々な競技を観戦する予定です。

そこで!!
これまで取材してきたことをまとめてみて、改めて車椅子バスケットボールについて皆さんにお伝えできればと思います。

まずは、車椅子バスケットボールのルールについてです。
基本的にボールやコートの広さ、ゴールの高さ、フリースローライン、スリーポイントラインは健常のバスケと一緒なんですが・・・・
ダブルドリブルがないこと、そしてボールを膝にのせて車椅子を3回以上手で漕いだ場合「トラベリング」になります。

健常のバスケと大きく違う点は、それぞれの選手に障がいに応じた「持ち点」があることです。
持ち点は、1.0~4.5点まであり、障がいの程度が軽くなるほど持ち点が高くなります。
腹筋、背筋は機能するか、体をひねる動作がどの程度できるかなど、体に残っている機能で持ち点は分けられます。

1.0~2.5点までの選手を「ローポインター」、3.0~4.5点の選手を「ハイポインター」と呼び、コート上の5人の選手の持ち点を足して、14点以内にしなくてはいけません。
そうすることで、障がいの程度が重い選手も軽い選手もコート上で活躍できるんですね。


では、ここからはリオパラリンピックに出場する男子日本代表チームについてです。

日本代表チームのキャプテンの藤本怜央選手

日本国内の車椅子バスケのチームが日本一を競う「日本選手権」では、得点王を12回獲得。
昨シーズンからドイツのハンブルガーSVでもプレーをしています。

副キャプテンの香西宏昭選手

高校卒業後、車椅子バスケの名門「イリノイ大学」に進学し、3・4年生の時には2年連続でシーズンMVPに輝いた経歴をもっています。
チェアスキル(車椅子を扱う技術)が本当に巧みで、初めて香西選手を観た時「競技用の車椅子ってこんな動きができるんだ!」と驚きました。

藤本怜央選手の持ち点は4.5点、香西宏昭選手の持ち点は3.5点。
つまり二人とも「ハイポインター」であり、チームの中では比較的障がいの程度が軽い選手です。

お二人とも日本のポイントゲッターではありますが、この二人の選手だけでは勝ちきることができません。
2014年に行われた世界選手権では、藤本選手、香西選手に頼りすぎてしまい、イラン戦や韓国戦では、後半に大逆転されてしまいました。
ここから、日本代表の及川ヘッドコーチは40分間をいかにして12人の選手全員で戦っていくかという戦略を組み立ててきました。

藤本選手、香西選手がシュートを打ちやすいように、他のローポインターの選手が相手チームのディフェンスをとめる。
ハイポインターの2人が厳しいマークをうけた場合は、ローポインターの3人がシュートを決めに行く・・・
5月に行われた強化合宿では、藤本選手、香西選手以外の選手のシュートシーンを作っていくことに取り組んだとのことでした。

他にも、両エースをずっと出しっぱなしにするわけにはいかないので、二人を外したユニット(選手の組み合わせ)も作られています。

ハイポインターの選手がシュートを決めるシーンは目立つのですが、
その陰には、ハイポインターの選手を活かすローポインターの選手のアシストがあります。
ハイポインターのダイナミックなプレーはもちろん、ローポインターの職人技ともいえる緻密な動きにも注目です。

鳥海連志選手

持ち点は2.5点のローポインターで、現在高校3年生。
囲み取材の時は先輩選手からいじられることもあるのですが、コートに立つと一変・・・アグレッシブなディフェンスが持ち味です。
そして何よりもスピードが速い! カメラを構えていると、よくブレます(笑)


車椅子バスケットボールの試合は、9月8日から予選がスタート!!

ここまで車椅子バスケットボールについて書いてきましたが、パラリンピックの競技は車椅子バスケットボール以外にも魅力的なスポーツが沢山あります。
是非チェックしてみてくださいね♪

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